エアコン27年問題とは?2026年から本格化する「壊れてからでは遅い」時代

エアコン27年問題とは?現場で感じている「これから起きる変化」を正直にお伝えします
「今年の夏も、なんとか乗り切れた」
そう思っている方も多いかもしれません。エアコンがまだ動いているなら、とりあえず大丈夫…そう考えるのは、自然なことです。
でも最近、現場で少しずつ増えてきているご相談があります。
それが、**「エアコン27年問題」**です。
これは「特定の年に何かが起きる」という話ではありません。
むしろ、2026年から2030年にかけて、じわじわと暮らしに影響が出てくると感じている問題です。
・突然エアコンが壊れた
・でも修理部品がない
・工事の予約も取れない
・新しい機種は高くて選べない
そんな事態が、少しずつ現実味を帯びてきているのです。
「でも、まだ動いてるし…」「急いで替えるのも、なんだかもったいない」
そのお気持ち、よくわかります。私も電気屋として、同じように悩まれるお客様と何度も話してきました。
大丈夫です。
今すぐ全員が買い替えるべきという話ではありません。
ただ、「知っているかどうか」で、数年後の選択肢が大きく変わるということ。
それを今回は、工事の現場からお伝えしたいと思います。
エアコン27年問題とは何か

「27年問題」と聞くと、何かの法律や制度変更を思い浮かべる方もいるかもしれません。
しかしこの言葉が指しているのは、買い替えの集中・人手不足・制度の変化が重なることで、エアコンにまつわるトラブルが起きやすくなるという“複合的な問題”です。
具体的には、次の3つの要因が重なり合うことで、
「壊れてからでは間に合わない」状況が起こりやすくなってきているのです。
エアコンの寿命が一斉にやってくる
エアコンの寿命は一般的に10〜15年。
現在、多くのご家庭で使われているエアコンは、2010年前後や2014〜2018年ごろに設置されたものが多く、ちょうど買い替えのタイミングが重なってきています。
つまり、2025年から数年の間に、一気に買い替えが必要なエアコンが増えるということ。
「壊れたから替える」では間に合わなくなるケースも増えてくるかもしれません。
工事できる人が減っている
エアコン工事は、資格と経験が必要な作業です。
しかし現場では、電気工事士の高齢化や若手不足が進み、実際に工事を行える人材が減っているのが現実です。
その結果、夏場になると…
・予約が取れない
・何週間も待たされる
・希望日に対応できない
といった声が、実際に現場でも増えてきています。
修理したくても部品がない
エアコンは「壊れたら直せばいい」と思いがちですが、メーカーはすべての部品を永久に保管しているわけではありません。
特に10年以上使っているエアコンになると、修理に必要な部品の製造が終了していることも多く、「修理できない=交換するしかない」というケースが現実に起きています。
このように、エアコン27年問題とは「これから起きる可能性の高い、現場の課題」が積み重なっている状態だと言えます。
省エネ基準と「選べない未来」

エアコン27年問題は、単に「壊れる・工事が混む」という物理的な問題だけではありません。
実は、省エネ基準(エコレベル)の変化も、見逃せないポイントなのです。
この部分を知らないままでいると、数年後に「選べると思っていた機種が、もう買えなくなっていた…」ということになりかねません。
古いエアコンは“動いていても損”をしている?
一見すると、今のエアコンがしっかり動いていれば「まだ大丈夫」と思うかもしれません。
しかし実際には、古い機種ほどインバーター性能が低く、効率が悪い傾向にあります。
つまり、冷暖房はできているけれど…
・必要以上に電力を消費している
・無駄に長時間運転になっている
・同じ使い方でも電気代が高くついてしまう
といったことが、実際には起こっているわけです。
「安くてそこそこ」の選択肢が減っていく
もうひとつ重要なのが、省エネ基準の見直しによる市場の変化です。
これまでは「そこそこの価格で、そこそこの性能があればOK」という考え方で十分でした。
しかし今後、基準を満たさないモデルは製造中止・販売終了となっていく流れが進んでおり、
「いつもの価格帯で買えるモデル」が減っていく可能性が高まっています。
現場でも、
「今の価格帯のエアコンって、もうそのうち買えなくなるんですよね?」
といったご相談が、以前より増えています。
つまり、省エネ性能の変化は、ただの“環境配慮”の話ではなく、選択肢が減る=価格が上がるリスクにもつながっているのです。
今のうちに動く人が増えている理由

最近、現場でお客様とお話ししていると、**「まだ壊れてはいないけど、そろそろ替えようかと思って」**という声を以前より多く聞くようになりました。
一見すると、早すぎるようにも思えるこの判断。
でも実際には、とても理にかなった選択だと感じています。
「先を見て動く」という考え方
エアコンがまだ使えるうちに買い替えを検討する方は、決して焦っているわけではありません。
「この先どうなるかを理解した上で、今動くほうがいい」と、冷静に判断しているのです。
例えば…
・「来年壊れるよりは、今のうちにやっておきたい」
・「夏に慌てるのは嫌だから、春のうちに」
・「選べるうちに、自分の希望に合ったものを選びたい」
こうした考え方が、年々増えてきている印象です。
夏に壊れると“選べない・待たされる”
夏のエアコン工事は、とにかく混み合います。
タイミングによっては、工事まで2〜3週間待ちということも珍しくありません。
また、在庫のある機種しか選べず、本当は欲しくないモデルを“仕方なく”選ぶというケースも起こりがちです。
だからこそ、今のような余裕のある季節に動くことで、
・じっくり選べる
・無理のない価格帯で判断できる
・希望日に工事がしやすい
といった、選択肢と自由を確保しやすくなるわけです。
こうした判断をされる方は、決して“特別な人”ではありません。
今すぐ困っていないからこそ、「今のうちに動いておこう」と考える。
その一歩が、後々の安心につながるのです。
まとめ|27年問題は、少し先を見た人から動き始めている

「エアコン27年問題」とは、
ある日突然やってくる大事件ではありません。
でも、気づいたときには「もう遅い」になりやすい、そんなじわじわ型の変化だと私は感じています。
・同じ時期にエアコンの寿命が重なる
・工事が混み合って、思うように進まない
・修理ができず、交換一択になる
・省エネ基準の影響で、選べる機種が減っていく
こうした動きが、これから少しずつ現実になっていく中で、
「今すぐ困っていない」人ほど、余裕をもって選択できる可能性が高いのです。
ヤザキ電気では、
「今のエアコン、まだ使えそうだけど大丈夫かな?」
「買い替えるなら、どういうタイミングがいい?」
といったご相談にも、丁寧に対応しています。
無理な営業や交換の押し付けは一切ありませんので、
もし気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。


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